遊郭に関わりのある人々 その二

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遊郭に関わりのある人々【遣手(やりて)・新造編】

【楼主・内儀・若い衆編】では、遊郭において花魁など遊女以外の中心人物や遊郭で働く男性についてご紹介しましたが、遊郭に関わる人々はまだまだいます。
今回は、遊女にかかわりのある女性たちについてご紹介します。

遣手は、元遊女が30歳を超え、身請けされないまま年季を過ぎると、この仕事に就く事があります。
主な仕事としては、女衒(ぜげん:女性を遊廓など売春労働に斡旋することを業とした仲介業者)から買った遊女の格や客の酒宴内容を決めたり、禿(かむろ)の基礎教育。
はたまた脱走や心中を図った遊女の折檻をしたり、見世指名の客をどの遊女につけるかなど判断する役目を担っていました。

そのため基本的に遊女には恐れられていて、遣手のばばあと揶揄され、「遣手婆(やりてばばあ)」の語源ともなっています。

遣手と同じように年季明けから遊郭に残り、仕事をする番頭新造がいますが、番頭新造とは違い、見世全体の遊女を管理、指導していました。

番頭新造(ばんとうしんぞう)

番頭新造も大体が30歳前後で、身請けされないまま年季を過ぎた元遊女が、遊郭で太夫に付き添って、身のまわりの世話や外部との交渉をした新造のことを言います。別名番頭女郎とも言うそうです。
もちろん遊女としての経験も抱負なので、太夫の身の回りだけでなく、実際に茶屋に出向き初回の客の品定めをしたりと、花魁の引き立て役や相談役になっていたそうです。

新造は全部で3つの種類がありますが、振袖新造や留袖新造とはまた年齢も経験も異なります。

振袖新造と留袖新造

振袖新造とは、禿を経て、その上の位へあがると振袖新造と呼ばれ、年齢的には14歳から16歳くらいの少女を指し、所謂、遊女見習いとなります。
まだまだ姐さんの見習いをする立場なので、客を取る事はありません。
ただ、見習っている姐さん(花魁)が多忙な場合は、名代として席へ着く事もありますが、決して床入りはできませんでした。
留袖新造とは、18歳になっても独り立ちが出来ず、姐さんの世話になりながら客を取る新造のことをいいます。

所説ありますが、江戸時代では10代の内に元服、つまり成人することになるため、18歳という年齢は、成人している女性ということになります。
そのため、独り立ちが出来なくても成人していることから、着物の袖が短い、つまり留袖という風に区切られたのかもしれませんね。

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